演題:舌下免疫療法 初めの一歩
演者:さかざきこどもクリニック 院長 坂崎弘美 先生
演題:当院における舌下免疫療法の現状
演者:大阪市立大学医学部付属病院 小児科 橋本泰佑 先生
特別講演:当院における舌下免疫療法の現状とアレルギー拠点病院としての当センターの取り組み
演者:大阪はびきの医療センター 耳鼻咽喉科 部長 川島 佳代子 先生
アレルギー疾患は、国民の約半数が罹患しているという報告もあり、国レベルで行政も積極的にその対策を行っている。
府内のアレルギー疾患患者さんが、適切な医療を受けられるよう、大阪府下では、4つのアレルギー疾患医療拠点病院が選定されている。
- 大阪赤十字病院(大阪市天王寺区)
- 大阪はびきの医療センター(羽曳野市)
- 近畿大学医学部附属病院(大阪狭山市)
- 関西医科大学附属病院(枚方市)
スギ花粉症に対する舌下免疫療法:SLITは2014年から開始され、ダニを原因とする通年性アレルギー性鼻炎に対するSLITは2015年から開始された。従来の皮下注射法による皮下免疫療法(SCIT)は、利便性、安全性の観点からSLITに置き換えられ普及しつつある。ただし、喘息等のアレルギー疾患の合併例ではSLITを導入する場合でも慎重に対応する必要がある。
SLITは増量期の後、維持量の投与を一般的には3~5年行う必要がある。軽度の局所反応は投与開始後1~2ヵ月に高率に発生するため、抗ヒスタミン剤などを導入することがあるが、時に患者さんが不安になり、途中で脱落することもある。そのため、治療を長期にわたって継続していくために、治療前の十分な説明とその後の定期的な管理が必要になる。
SLITの導入時期を考慮した方がアドヒアランスがよさそうなこと、増量期にどのようにStepupするのか、単剤のSLITでも他の抗原によるアレルギー反応を抑制できるのか、DUALのSLITではより治療効果が高まるのかなど、多くの話題があり、今後も知識をUPDATEしていく必要があると感じました。
SLITを行うためには、医師はSLITに関する講習会やe-ラーニングを受講し、さらに製品毎に設けられたe-ラーニングを受講する必要があるとのこと。
当院ではアレルギー関連疾患の難治例は遠いのですが実績もある大阪はびきの医療センターにご紹介してました。しかし、大阪赤十字病院も体制を整備され集学的に対応をされているとのこと。今後の参考にしたいと思いました。